2017年8月6日日曜日

北京~ウランバートル 国際列車27時間の旅(2)

(1)から続きます

高包の部屋。2段ベッドと椅子がひとつあります
ウランバートル行きの列車に乗り、まず部屋に荷物を置きました。私たちの部屋は「高包」という2人部屋。小学生は添い寝OKだったので、この部屋にしました。そのほか、「軟臥」「硬臥」と呼ばれる4人部屋がありますが、そこを3人で使うと、1人、まったく別な人が入ってくる可能性があるわけです。

 「地球の歩き方」でも、そんな投書がありました。ある女性の投書で、4人部屋で自分とフランス人男性2人の割り当て。「2人が自分をとても気にかけてくれて申し訳なかった」との内容です。

 やはり、自分たちだけの空間でないと落ち着きません。そこで、大人2+子供1で「高包」を頼んだわけです。ベッドの幅を考えると、小学生の子供との添い寝はきつい。ウチの子は小さいので、まだよかったですが、大柄の子はさらに厳しいでしょう。でも、全然知らない人を加えた4人部屋では、パンツ1枚にもなれません。

水洗トイレが1部屋1個ついています
「軟臥」「硬臥」は、トイレは共同トイレですが、「高包」はトイレがついています(入ってみて分かったのですが、洗面所&シャワーも)。4人の家族旅行ならいいのですが、小学生以下を含む3人なら、2人部屋の「高包」です。

 で、荷物を置いて、3人で電気機関車を見にホームの最先端まで行きます。列車に乗ったら、この列車の全体像は見えないのです。最前部まで行って記念撮影。子供は心配性なので、「早く、早く(帰ろう)」と言って手を引っ張ります。ホームにある時計を指して「まだ10分以上もある」と諭します。

16年前にはなかったシャワーと洗面台
11時20分。あと少しで出発という時、ビデオを撮るのを忘れたので、出入り口まで行き、ちょっと体を出して撮影しようとしたら、そばにいた車掌から「ダメ」とかの声。別に、ホームに降りようとしたんじゃないんだけどなあ・・・。

 11時23分。予定より1分遅れてホームを離れました。ここから約27時間、この列車の中です。ふだん、家族で27時間も同じ空間にいることはないわけですよ。仕事に行ったり、小学校に行ったり。「27時間も同じ空間に一緒にいること、初めてかな」と思いました。ま、旅行の時は、場所は違ってきますが、だいたい一緒にいますけどね。

 トイレのドアが「Lock」になっているので、車掌に聞いたら、「ソーリー」と言って開けてくれました。ケアレスミスみたいです。16年前に乗った時の車両は、2部屋に1トイレ。一方が使うときは、反対側の鍵をロックし、出る時にそのロックを解除するシステムだったのです。ごく偶然に、両方から入ろうとすることもあったかもしれません。

各車両の通路。大型でなくとも、すれ違いは
かなり厳しい幅
でも、今回は1部屋に1トイレ。しかも、洗面所とシャワーがついています。16年もたてば、変わりますね。16年前は座席車もついていました。今回は先頭から最後尾まで歩きましたが、すべて寝台車。2人部屋(高包)が2両、ちょっと広めのベッドのある4人部屋(軟臥)が1両、あとは4人部屋(硬臥)が11両か12両、食堂車や電源車を加えて16両くらいの編成だったと思います。

 北京からしばらく行くと万里の長城が見えるとかでしたが、結局、分からずじまい。ま、いいでしょう。万里の長城は前日に行っていますから。街並みがなくなると、高い崖がみえたり、草原が見えたり、、、。北京で使えたアジア全域用のインターネットのルーターも、いつの間にか使えなくなっていました。次の都市に行ったら使えたりしました。まあ「全域」と言っても、人間はだれも住んでいないような途中の山岳や平原で通じないのは当然ですね。

 隣の部屋はオーストラリアの高齢女性の2人旅。妻は英語を話すことが仕事なので、廊下に出てどちらからともなく会話となり、いろいろ聞いたところ、ウランバートルのほか、ゴビ砂漠など23日間、モンゴルに滞在するのだそうです。(ウランバートルの駅で別れたあと、市内で2回、遭遇しました)

中国内は2駅に停車。最初の駅の呼和浩特(車窓
から反対のホーム)
見たところ、ともに70歳くらい? お孫さんもいるそうで、友達と2人で悠々自適の老後の楽しみという感じ。妻に「将来、こんな旅ができるようになるといいね」と言うと、「23日間なんて、いい」と、即座に拒否されました。確かに、23日間は長すぎるか。

 国境の町、二連までは呼和浩特の1駅しか停まりません。午後5時ころにそこへ到着。けっこう、降りる人がいます。この列車は中国の都市間での移動にも使われているみたいです。その場合は、当然、寝台は使わないでしょう。

 10数分停まるとのことなので、ホームに降ります。別のホームにも客車があります。それも寝台車。寝台車であっても、昼間の車両としても使う感じでした。次の停車駅は国境の駅、二連。そこまでは同じような風景が続きます。

呼和浩特でホームに降りてみた
反対のホームに泊まっていた車両。寝台車だった


別のホームにあった電気機関車

最後尾の車両から見えた光景
(3)へ続きます。

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